ごあいさつ

 みんなちがってみんないい!
子ども達は、伸び伸びと遊び、それぞれの違いを認め合いながら互いにかけがえのない存在として思いやりの心を育んでいます。 日々の幼稚園の活動を通して神様の愛、両親そして周りのたくさんの方々の愛を感じ、信頼する心、委ねる心、感謝の心を育みます。

聖クララ幼稚園 園長 伏島 隆興


<3月のえんだより> 

このところ、寒暖の差が激しく、身体も心も、それに適応させていくのがなかなか大変な年齢になってきたなと感じます。いよいよ年度末を迎えますね。そんな中で、この1年の子どもたちの成長を見ていると、大人として、とても励まされ、力づけられ、元気をもらうことがしばしばあります。毎朝登園してくる子どもたちに会うだけで、とても元気になります。そして今日も一日頑張ろうと思います。

 子どもたちの姿を見ていて、成長するということは、どういうことかと考えてみました。色々なことがわかり、出来るようになってくることは、確かに成長のあかしです。それは可視的でわかりやすい成長の結果です。その背後には多くの人の支えと、子どもたち一人ひとりの努力があり、その実りとしての結果があるのだと思います。

 ところで私は昨年の夏休みの終わりに行われたクララ祭で花火の打ち上げの際に、目の周りを火傷しました。せっかく楽しい時だったのに、子どもたちをびっくりさせてしまって申し訳ないなと思っていました。でも、たくさんのお友だちが本当に心配してくれて、優しい言葉をかけてくれました。とても嬉しかったです。最近でも「もう痛くない?大丈夫になった?」と声をかけてくれる子が少なくないです。とても嬉しいと同時に、子どもたちの中に育っている、他者を思いやる心を感じました。

 思いやる心、人を大切にする心は、日々の生活の中で、お互いに助け合い、支え合いながら生きていくことの柱となる心です。この心を柱として生きていくことが出来れば、様々な困難を乗り越えることが出来るでしょう。それは愛の力そのものだと思います。

 イエス様の弟子の1人にヨハネという人がいました。一番若かった弟子で、他の弟子と違って、イエス様が十字架にかけられたときも、イエス様のもとを決して離れなかった唯一の弟子でした。ヨハネは新約聖書の中で、愛について繰り返し語っています。ヨハネが伝えようとしたことは、愛のみであり、ヨハネにとって神さまは、愛そのものでした。このことをヨハネが確信するようになったのは、神さまの愛を目の当たりにし、その愛に包まれて生きることが出来たからです。ヨハネは若いころは「雷の子」とイエス様から呼ばれたほどに、荒っぽい性格の人でしたが、愛された体験から、生涯をかけて愛する人に変容していきました。

 愛は何物にも代えがたい生きる力です。成長することは、愛する力を育むことでもあると思います。それは朽ちることなく、無限に広がる力です。それは愛されることを通してのみ育まれていきます。

 聖クララ幼稚園の子どもたちの愛する力は確かに育まれてきています。お友だち同士、先生方とのやり取りの中に、相手を大切にする姿勢がよく表れてきています。これが本当の成長の証だと思います。

 3月は卒業、進級に向けた締めくくりの月。それは新たな飛躍に向けた、旅立ちの時でもあります。ひとつのことが終わるということは、もうすでに、新たな出発の入り口をくぐったということに他なりません。聖クララ幼稚園のお友だちが、進学、進級に向け、力いっぱい羽ばたいていけるよう全身全霊でサポートしていきたいと思います。

 

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