詩人 吉野弘

「生命は」

生命は  自分自身だけでは完結できないようにつくられているいるらしい。

花も  めしべとおしべが揃っているだけでは不充分で

虫や風が訪れて  めしべとおしべを仲立ちする

生命は  その中に欠如を抱き  それを他者から満たしてもらうのだ

世界は多分  他者の総和

しかし 互いに 欠如を満たすなどとは  知りもせず  知らされもせず

ばらまかれている者同士  無関心でいられる間柄

ときに  うとましく思うことさえも許されている間柄 

そのように  世界がゆるやかに構成されているのは

なぜ?

花が咲いている すぐ近くまで  虻の姿をした他者が  光をまとって飛んできている

私も  あるとき  誰かのための虻だったろう

あなたも あるとき  私のための風だったかもしれない

*私の大好きな詩人の、大好きな詩です。私たちも時に、虫になったり、風になったりしているのです。そう、知らないうちに。

2016年10月13日(木)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸

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数年前に、荒川土手で撮ったコスモスと蜂。我が家の梅ノ木にとまった蝶?。虻ではありませんが、静かに近づきました。

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