教えることと 学ぶこと

 仙台にある宮城教育大学の元学長であり、哲学者でもあった林竹二氏と、児童文学者の灰谷健次郎氏の対談集のタイトルです。私が大学1年の時に読んだ本です。表紙の帯には、教育とは何か、学校とは何か、子供とは何か、子供の命を助ける教育を、、、とありました。ページをめくると、当時の癖で、気になった個所に赤のボールペンで線が引かれてあります。「兎の目」「太陽の子」の作者でもあった灰谷健次郎氏が大好きで、その頃は彼の本を読み漁っていました。何故、急にこの本のことを思いついたかというと、テレワーク2日目の今日、先生方に遅れないようにと、国際バカロレア教育のことを勉強するために机に向かいました。バカロレア教育の基本的な考え方を教えていただいた大迫先生の本を読み進めていくうちに、40年ほど前に読んだこの本のことが頭に浮かんだのです。教師中心ではなく、生徒のための学びとは何かと問う内容は、当時強い衝撃を受けました。貧しさゆえに教育が十分に与えられなかった子供たちや、定時制高校の生徒たちが、林先生の投げかける課題を真剣に考え、変わっていく様子を克明に記録した本をもとに、灰谷さんと対談をされたのです。教育とは「子供たちの宝を掘り起こす」「自らがどう生きるかという課題」「学問はため込むことではない」「教育とは一緒に生きること」。40年前の林竹二さんの情熱は、まるで国際バカロレア教育の勉強会に参加しているかのように新鮮です。「オタマジャクシは、だまっていてもカエルに成長する、それでは、人間の子供はだまっていても、人間になるのか」という問いを、子供たちが真剣に考える。答えは一つではないから、成績とは関係なく、一人ひとりの生徒が輝くのです。続きは明日。

2020年4月16日(木)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 清水勝幸

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もう一度読み直してみたくなりました。

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