あゆむ

 学園のアトリウムにはシクラメンが1鉢あります。3年前から置かれ、毎年11月頃になるときれいな花を咲かせ、あたかもクリスマスをお祝いしてくれているかのようでした。ところが今年(昨年末)は一向に咲きません(※なぜか3月に咲いたのです)。そもそもつぼみすらわからない状態です。毎年咲くのが当たり前だったので、どうしたのだろうかと考えました。栄養をあげてみました。変わりありません。葉を抜いてみました。変わりありません。陽にあててみました。変わりありません。もうわからないから校長室に持っていこう! と思い、冬休み明けから私の机の横に置きました。するとどうでしょう、つぼみが膨らみはじめ、もう明日にでも花が咲きそうです。やったことは2日に1回水をあげ、いつも隣で眺めていただけです。おそらく11月からあわてて手入れしたことが、今になってようやく結果になったのでしょうが、その一方で私は、シクラメンは誰かとともにいたかったのではないか、私に見てもらいたかったのではないか、と思ってしまいました。
 花を咲かせるためには、準備をおこなうこと、誰かがちゃんと見ることが必要であり、そしてすぐには表れないものだということをシクラメンから教えてもらいました。もしかしたら受験も同じかもしれません。準備をおこなう、見守ってもらいながらともに歩む、そしてそのともに歩んだ時間こそが、本人だけでなく関わったすべての皆さんの花であるような気がします。

2023年2月2日(木)聖ヨゼフ学園中学・高等学校 校長 多田信哉

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シクラメン。朝は陽射しをたっぷり受けます。

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