校長より ~二学期の登校・授業体制について~

保護者の皆様へ

 皆様ごきげんよう。新学期が始まります。新型コロナウイルス感染拡大で臨時休校期間が長引いたため、今年度は短縮した夏休みとなりました。夏休みは、子どもたちが普段の生活とは違う経験や体験をして、ぐんぐん成長する"時"でもあります。しかしこの夏休みは、「新しい生活様式」に沿った過ごし方が求められました。その中でも、思い出が残るような、心が通じ合う"時"を過ごされたのではないでしょうか。

 8月24日が始業式となります。子どもたちが元気な姿で登校してくれることを願っています。新たな気持ちで、学校生活を送ってほしいと思います。一人ひとりが、自分の命と他の誰かの命を守るために、自らできることは何か、考えながら行動する二学期にしてほしいです。いまだに感染者が増え続けています。一学期同様、教員一丸となって児童の健康と安全、命を守る対応を行ってまいります。感染予防に細心の注意を払い、安心・安全を最優先にした二学期としたいと考えています。聖ヨゼフ学園小学校にかかわるすべての皆様と"ONE TEAM"となって、この難局を乗り越えていきたいと思います。

 2020年2月以降、安全な学びを提供するために、それぞれの段階に応じた学校運営の判断をしてまいりました。保護者の皆様には、多大なるご理解とご協力をいただきました。過日ご報告させて頂きましたが、車の両輪となり、児童の育みをお支え頂いたおかげで、一学期は無事に終了することが出来ました。学園では、一学期終了直後から二学期の学校運営について協議を重ねてまいりました。具体的には、通常登校、通常時間割・通常授業で二学期を開始することが可能かどうか、神奈川県及び横浜市、東京都及び関東地域、日本全体の感染状況を見極めながらの検討です。学校医とともに対応の協議を重ねました。

 7月、8月と感染者数が再び拡大に転じました。けれども、これまでのデータや研究からわかってきた特徴や対策が示されるようになりました。4月、5月に比べて人の移動がはるかに増え、全国的な対策がなされない中で、検査を通じて感染を早期に発見し、入院や待機による日常生活の維持が有効策とされてきました。また専門家は、密閉された空間では感染が広がりやすいが、換気対策を徹底すれば感染は防げるとしています。これは、感染が拡大する仕組みがわかってきた一面と指摘されてもいます。電車でのクラスター発生報告がないのも、その例だと言われています。国土交通省によると、走行中の窓を10センチ程度開ければ車内空気が5~6分で入れ替わるとされています。このことから、換気の徹底を図ることで集団感染は発生しにくいと思われます。また世界保健機構(WHO)は、お互いが1メートル離れることが難しい場所では、マスク着用で感染を広げにくくする効果があるという見解を示しています。一方厚生労働省は、屋外で周りの人との距離が2メートル以上離れている場合は、マスクを外すように呼びかけてもいます。このことから、適切にマスクを着用して換気した環境であれば、感染を減らすことが出来ることがわかります。

 このことを踏まえて聖ヨゼフ学園小学校では、可能な限り感染防止に努め、学習を正常化してまいります。8月24日より、通常登校、通常時間割・通常授業で二学期を開始いたします。ただし9月いっぱいは、放課後の活動は行わないこととします。対策としては、手洗い、うがい、手指消毒、教室の換気、シールドの設置などの学校生活上の予防対策を確実に行ってまいります。マスクの適切な着用、可能な限りの三密回避を行ってまいります。ご家庭では、可能な限り人込みを避けることや会食、飲食を極力避けて感染機会を減らしていただくことなどをお願いしたいと思います。学校はこのような環境ではないので、通常の教育活動を行うことの安全性はかなり高いと思います。『学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~』(2020.8.6 Ver3/文部科学省)では、「十分な睡眠」、「適度な運動」及び「バランスの取れた食事」を心がけ、免疫力を高めることの必要性も示されています。健康観察のみならず、ご家庭内においても「新しい生活様式」の実践をお願いいたします。なお放課後の活動制限は、適時学校全体を消毒するためとご理解ください。またラッシュ時の感染リスク軽減にもつながります。 

 有効安全なワクチンや治療薬が流通するまで、感染が消滅することは想像できません。児童の健康と安全、命を守るために知恵を絞りながら、「ウイズコロナ」という観点で学校運営を行っていきたいと考えます。ご理解とご協力をお願い申し上げます。

 教皇フランシスコは、3月27日、雨の降るサンピエトロ広場において、「ウルビ・エト・オルビ」と呼ばれるローマと全世界へ向けた特別な祝福の祈りを捧げられました。「私たちは自分たちが同じ船に乗っていることに気づきました。私たちは皆、弱く、途方に暮れていますが、大切でかけがえのない存在です。私たちは皆一つになるように招かれ、互いに慰め合うように求められています」「私たちも、一人で勝手に進むことはできず、皆が一つになってはじめて前進できることを知ったのです」「・・・・・主はこの試練の時を選びの時とするように私たちに求めておられます。それはあなたの裁きの時ではなく、私たちの判断の時です。何が重要で、何が一過性であるかを識別し、必要なものとそうでないものを見分ける時です。人生が向かう方向を、あなたと他者に向けて定め直す時です」と。危機の中での人々の団結と一致を求める呼びかけに、教員一同心を合わせて、ご家庭のもとにある児童とご家族の健康と安全のために祈りをささげてまいります。

2020年8月19日

学校法人アトンメント会

聖ヨゼフ学園小学校 校長 荒屋勝寿



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