校長より ~2021年度の運動会について~

校長より ~2021年度の運動会について~

 2020年度は、児童の健康と安全、命を守ることを大前提としたため、児童の通常の活動として行事は行えませんでした。当たり前に行えていたことを行えなかったため、仲間との繋がりを感じ、楽しみを感じる機会がありませんでした。しかしながら児童一人ひとりの姿を見ていると、授業だけでも成長できたことはたくさんありました。探究の授業など内容によっては、まとめる力、書く力、発表する力、協働する力、団結する力が伸びたものもありました。行事という特別な活動の成長だけではなく、コロナ禍とは言え、日常の学校生活でお子様の成長を実感された保護者の方々も少なくはなかったのではないでしょうか。

 2021年度は、教育活動を通常に戻すことを念頭に置いて学校運営を開始しました。しかしながら従来型と異なるウイルスの存在が指摘されたこともあり、これまでの経験を一旦ゼロに戻し、文部科学省、神奈川県、横浜市からもたらされる情報を吟味し、学校医、学校薬剤師の専門家の指示に基づき、高い緊張感を持ちながら日々の感染予防対応を行っています。それでも教育活動を徐々に軌道に乗せるために、「できない」ではなく「どうしたらできるか」に視点を向けています。「今もできる」「今だからできる」「今しかできない」と、"制限されて少ないこと"が"より豊かなものになる"ように、教員が力を合わせ、知恵を絞り、教育に当たっています。

 学校行事は、児童の"表現"を大切にする育みです。それぞれの行事に、教員が驚くようなドラマがあり、想像もしなかった成長が児童の姿に見られます。時には、予想とは異なる姿が現れたりすることもあります。学校行事は、児童にとって『かけがえのない経験』です。それぞれにその意義や実施目的があり、学校づくりに欠かせません。様々な"経験"と"学び"を経て、児童は総合的に成長していきます。望ましい人間関係づくり、集団への所属意識や連帯感の高揚、公共の精神を養いよりよい学校生活をつくる、自主的・実践的な態度の育み等がそのねらいとなります。

 特に運動会は、子どもたちにとっては、責任感や連帯感、体力の向上など多くのことが得られる教育活動です。保護者の皆様にとっては、お子様の成長を確かめる機会でもあり、大きな喜びにつながる行事であると思います。学校にとっては、児童への声援や種目(学年対抗玉入れ)への保護者の皆様の参加を通じて、「チーム学校」が生まれる重要な行事です。運動会は昔から人と人をつなぐ行事と言われてきました。町内会や会社でも行われていました。それだけ、集団の絆を強める力のある行事です。運動会はまさに、学校に関わる全ての人たちとの絆を深めます。

 実は本日まで、運動会への保護者の皆様の参加の可否を協議してまいりました。4月初めに「参観無し」とお伝えしておりましたが、上述したように運動会に備わる"多くの価値"を考慮するとき、参観は大切なことと判断し、社会情勢を踏まえた話し合いを重ねてきました。参観の実現について学校医や学校薬剤師に相談し、徹底した感染防止対策を講じ、保護者の皆様に参観いただく実施案を準備していました。しかしながら、「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」が6月20日まで延長され、神奈川県では33市町村のうち20市町にその対象が拡大され、感染拡大防止措置が強化されました。そのことを受け、運動会は参観無しで行うことに改めて決定しました。

 この運動会は、学習指導要領に基づく学校行事です。運動会の大きなねらいは、『児童が心身の健康について関心を抱き、集団行動ができるようになり、運動に親しむ態度がとれ、仲間と連帯感や責任感を育み、体力の向上につながる活動を行う』ことです。このねらいに沿って運動会は行われます。教員が一丸となって、このねらいを達成します。その様子は、昨年度と同様に映像をDVDで準備します。また、児童の練習の様子を映像化する計画です。さらに当日、生中継が可能かどうか専門業者と打ち合わせを進めています。楽しみにしていただければと思います。

 聖ヨゼフ学園小学校では、どのような状況にあろうとも「信・望・愛」の校訓のもと教育活動を進めてまいります。児童一人ひとりが神様からいただいた賜物(能力)を精一杯伸ばし、意欲を持って主体的に学校生活が送れるように、教職員全員でお子様の大きな成長を図ってまいりたいと考えております。ご家庭と教職員が一体となって児童のより良い成長の実現にまい進できるよう、保護者の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

2021年5月31日

学校法人アトンメント会

聖ヨゼフ学園小学校 

校長 荒屋勝寿



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