校長より 〜児童の皆さん、保護者の皆様へ〜

児童の皆さんへ

 皆さん、ごきげんよう。
 みなさんと再会の予定だった4月7日の始業式から20日が経過しました。休校となった3月2日からは、ちょうど今日で50日です。日常が大きく変化し、通常とはまったく違った生活が始まってから、長い時間が経過しました。運動したり、お勉強したり、ご家族とコミュニケーションをとったり、皆さんは元気に過ごしていますか。

 これまで、学校から教科書やドリル、プリントやノートを郵送したり、学年の先生からのお手紙やヨゼフ体操、先生紹介、校歌、健康に過ごすための動画をホームページにアップロードしてきました。またインターネットで、視聴できる学習動画や課題を示してきました。インターネットでのお勉強は楽しいですか。学校から指示があったことだけではなく、自分が興味を持ったことを可能な限りやってみることも良いと思います。

 皆さんは既に多くのことを知っていると思います。新型コロナウイルスによって、世界は一変しました。ウイルスは目に見えないため、いろいろな可能性を想像してしまいます。そんなとき、皆さんは、何が一番大切なことだと考えますか。そうです、大切なことは、正しい知識を持ち、適切な行動を身に着けることです。ではご家族の方といっしょに、「ほけんだより」(4月22日付)を見てください。大切なことが書かれていますよ。しっかり読んでくださいね。

 病気にならない対策の一つは、人と人が近寄らずに距離を取ることです。お店やスーパーのレジでも、1~2メートル間隔で線が引かれ、人と人が離れ、距離が取られています。休校で、お友達や先生方と離れ離れになっています。皆さんと学校が離れ離れになっています。今は、離れ離れで距離を取ることが、皆さん一人ひとりの健康と安全、命を守ることになります。けれども、皆さんと学校は心で繋がっています。どんな状況でも、それは途切れることはありません。皆さんとの繋がりを、先生方は心から大切にしています。

 聖ヨゼフ学園小学校は、児童の皆さんと先生方がいっしょにお祈りをする"時"(時間)を大切にしてきました。学校があるときは朝礼の時間がそれにあたります。本来お祈りは、神様との深く親しい交わりを一人で行うものです。でも聖ヨゼフ学園小学校では、児童の皆さん全員と先生方が同じ時間にいっしょにします。そのことで、心を落ち着けて学校の一日が始められています。私たちは、祈りを通して神様に深く愛されていることを知ることが出来ます。神様に愛されていることを知ることにより、生きる力をいただき、他者を愛するためにその力を惜しみなく使い尽くしたいと望むようになります。祈りは、生きるために必要な力の源です。特に、今のように、病気になり困難や苦しみの中にある人、大切な人を亡くし悲しみの中にある人のために、そしてまた、それを取り除こうとするお仕事をされているお医者様や看護師さん、日常の生活を支えるお仕事に従事されている人たちのために祈ることは、人として美しい行為です。愛に基づく行為です。

 今、先生方はそれぞれの場所で、校長先生は学校でお祈りをしています。お祈りを通して心を一つにする時間は、10時です。

 聖ヨゼフ学園小学校の校訓は、「信望愛」です。教育目標は、「進んで学び働く子」「仲良く力を合わせる子」「ねばり強くがんばる子」です。そして教育目標の実現につながっているのが10の学習者像です。「探究する人」「知識のある人」「考える人」「コミュニケーションができる人」「思いやりのある人」「心を開く人」「信念を持つ人」「挑戦する人」「バランスのとれた人」「振り返りができる人」・・・これらの人物像は、知的成長のみならず人としての幅広い能力と責任を持てることが期待されています。

 皆さん、学校が再開するまでの間、聖ヨゼフ学園小学校が大切にしているものを忘れないでくださいね。


保護者の皆様へ

 皆様ごきげんよう。休校が延長され、お子様が学校に通わなくなり約2ヶ月が経ちます。長期にわたる休校期間に、学習面や心身の健康維持に、様々な工夫をされていらっしゃることと推察いたします。ご協力に心より感謝申し上げます。


 インターネットを活用して、学年と各教科が学習課題や動画教材を示しております。その過程で、課題の取り組みや状況を教員が確認できるようになりました。文字のみですが、現段階で遠隔でのやり取りも可能となりました。一方、スクリーン画面を長い時間見ることによる、お子様の目や耳の疲れが気になるという感想が聞かれます。また低学年ではフォローが必要なため、時間的な対応が難しいという感想も聞かれます。そもそも、インターネット環境が整わないという状況も聞かれます。


 本来初等教育には「3密」が必要とお伝えいたしました。教室では、自ら考え、創造し、協力し合い、対話が頻繁に行われながら学びが進みます。「探究型概念学習」は、まさにそのものです。この未曽有の難局を乗り越えるために、子どもたちの健康と安全を守りながら、教育上の価値を維持、推進、補完する手段として、インターネットによる遠隔学習を開始しました。ご意見に耳を傾けながら、不足点を補い、改善し、内容を充実させて学年にあった遠隔学習の運用を心がけてまいります。

 信望愛の精神を大切にし、教員が一丸となって取り組みます。「学校と繋がっている」という安心感を育めるように努力を重ねてまいりますので、今後も保護者の皆様のご協力をお願い申し上げます。

2020年4月27日
学校法人アトンメント会
聖ヨゼフ学園小学校 校長 荒屋勝寿



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